ケース別の売却理由

離婚時のマンション売却はどう解決するべきか解説!住宅ローンや財産分与について

離婚時のマンション売却はどう解決するべきか解説!住宅ローンや財産分与について

『離婚することになったためマンションを売却したいんだけど』という相談が不動産業者や法律に詳しい弁護士などによく持ちかけられます。確かに離婚の関係でマンションを売却する場合は色々と考えておかなければいけないことがあるため、多くの人が悩むのは理解できます。

この離婚関連のマンション売却に関しても事前にある程度の知識を身につけておかないと、後々自身が大きな損をすることにもなりかねません。今回は離婚時のマンション売却における住宅ローンや財産分与の問題についての解決方法を紹介したいと思います。

マンションの売却価格が住宅ローン残高を上回っていれば問題なし!

まず離婚時にマンション売却を検討したほうがいいケースは、マンションの査定額や売却価格が住宅ローン残高を上回る場合です。

住宅ローンが残っているマンションには抵当権という金融機関が行使できる権利がつけられています。これは住宅ローンの支払いが長期に渡り滞った時に売主の意思に関係なく強制的に売りに出すことができる権利のことです。そしてマンション売却においては抵当権がついている物件に関しては原則売ることが許されていません。

抵当権を抹消する条件は売却完了後の住宅ローン一括返済です。つまり『離婚したから一刻も早くマンションを売却したい!』と思っていても、住宅ローンの一括返済ができないと基本的には売却は不可能ということになります。

そのため世の中には『離婚問題でマンションを売却したいけど、住宅ローンの一括返済が難しいから悩んでいる・・・』という方が多くいます。しかしマンションの売却価格や査定額が住宅ローンの残高を上回っている場合は積極的に売却を進めていきましょう。

このようなケースではマンションを売った代金で残りの住宅ローンを支払えることができるため、離婚後にすぐにマンションを売却してローンも完済、お互いがそれぞれ新しい道にすんなりと進むことができるようになります。離婚関係でのマンション売却は基本的にこの形が最も理想的です。物件の評価額が高い場合は早いうちに売りに出すようにしたほうが2人のためにもなります。

売却代金で住宅ローンを一括返済できない時はどうする?

『残念だけどうちの物件の場合は売却価格も安くて、住宅ローンを一括で返済するのは難しいよ』という方もいます。ここではそのような悩みを抱えた方ができる対策法を取り上げてみましょう。

住宅ローンが残っている場合でもマンション売却は可能!残債の支払い方法5つ

自己資金から捻出

これは貯金がある方におすすめの方法です。マンションを売った代金だけでは住宅ローンの完済が難しい場合は自身の貯金額を確認してみましょう。ここで売却代金と貯金額を足して住宅ローンを完済することができるという方は自己資金から何割か捻出することをおすすめします。

また安定的な収入があり、社会的信用度が高い方の場合は他社から差額分を借り入れできる可能性もあるため、いずれかの方法で一括返済ができるのであれば早めに行動したほうがいいでしょう。

任意売却

任意売却は債権者、つまりお金を貸している金融機関の同意を得て住宅ローンを残したまま売却を完了させる方法です。一般的なマンション売却では前述のように住宅ローンの一括返済が基本となっていますが、任意売却で売却の話を進めていくと住宅ローンの残りを分割で支払うことができます。

残りの支払いも金融機関と相談の上、売主の無理のない範囲で行うことが可能です。この点だけを見ると『任意売却ってメリットしかないじゃん!』と思いがちですが、しっかりとデメリットもあります。

任意売却のデメリットですが、まずこの方法で売却をするには金融機関での許可が必要になるということ。任意売却はもともとは住宅ローンの返済が困難な売主が使う最終手段的な方法となります。

そのため売主にローン返済能力が備わっていると金融機関側で判断されたら、任意売却でマンションを売ることはできないのです。また任意売却をすると個人の信用情報に傷がついてしまうことも頭に入れておかなければいけません。

傷がつくとは簡単に説明すると一定期間、ブラックリストに売主の名前が載ってしまうということ。ブラックリストに名前が載っている期間は金融機関での借り入れが難しくなるなどのデメリットもあるため、任意売却は慎重に検討することが非常に大切です。

任意売却と競売の違いと仕組み – メリット・デメリットを比較

賃貸として貸し出す

『売却代金や貯金を切り崩しても一括返済ができない・・・任意売却も名前に傷がつくのは嫌だな・・・』という方もいるでしょう。そのような方は所有しているマンションを賃貸として貸し出す方法もありです。

賃貸として貸し出すことで賃料を住宅ローンの返済に充てたり、慰謝料や子どもへの養育費として相手に渡すというパターンもあります。ただし一度でも所有している物件を賃貸にしたことがある方ならわかると思いますが、賃貸はそれなりに管理などの面で苦労します。

また賃貸として貸しても住む人が見つからなければ、当然その間は無収入となり住宅ローンの返済などは持ち出しということになります。そのため離婚問題で賃貸に切り替える場合はメリットやデメリットを事前に把握しておくこと、周辺環境が良好で人が集まりやすい物件かどうかなどをしっかりと確認しておくことが大切となるでしょう。

マンション売却が得?賃貸で貸すほうが得?メリット・デメリットを徹底比較!

離婚時のマンション売却で忘れてはいけない財産分与の問題

離婚時のマンション売却で忘れてはいけない財産分与の問題

通常のマンション売却と異なり、離婚時のマンション売却は考えておかなければいけないことが多くあります。そのうちの一つが財産分与です。財産分与とは結婚後に夫婦が協力して築き上げてきた財産を清算して、それぞれ個人の財産に分けることを指します。

財産分与の対象となるものは貯金などお金だけではなく不動産も含まれます。また財産分与というとプラスになるものだけが対象になると思っている方がいますが、住宅ローンなどの借金も該当するのです。

また夫名義、妻名義のマンションであったとしても財産分与の対象になります。離婚関係でマンションを売却する場合はこの財産分与のことも頭に入れておく必要があるでしょう。

例えばですが3,000万円で売れたマンションがあるとします。このマンションの住宅ローン残高は2,000万円です。普通に考えれば売却価格が1,000万円上回っていますから売主も『やった!1,000万も得をした!』と喜ぶでしょう。しかし離婚でマンションを売却したとなるとこれも財産分与の対象になってしまい、2人で分け合う必要があります。

一般的に財産分与の割合というのは【50%・50%】となっているため、この場合は1人あたりの利益は500万円となります。これが離婚時のマンション売却のデメリットの一つでもあるのです。

また場合によっては慰謝料や養育費の名目でどちらかが損をする可能性もあるでしょう。どちらにせよ離婚時のマンション売却では『大きな利益を生み出してやろう!』という考えを持つのはあまり現実的ではありません。

財産分与後によくあるトラブルとは?

財産分与後によくあるトラブルとは?

離婚してもどちらかがマンションに住み続けるという選択をする夫婦は決して少なくありません。しかしこのような環境になるとトラブルがよく起きることもあります。具体的には住宅ローンの返済トラブルです。

例えばですがマンションの名義人が夫でも、妻がそのマンションに住み続けるというケースがあります。離婚時に決めた約束では『以前と同じように夫である俺が住宅ローンの支払いをしていく』となっていました。

最初は住宅ローンの支払いも順調に行われていましたが、いつからか返済も滞りがちに。こうなると金融機関は連帯保証人に連絡をすることになりますが、この時に連帯保証人は妻になっていることがほとんどです。

このような状態では妻が住宅ローンの支払いをするしかなくなります。また金融機関側で連帯保証人である妻に返済能力がないと判断されてしまうと最悪の場合は競売にかけられるという可能性もあるでしょう。

その他の例では、名義人になっているほうが勝手にマンションを賃貸にしたり、売却してしまうというトラブルもあります。このようにマンションの処分などの権限を持つのは名義人です。名義人が決定したことを覆すのは非常に難しいため、離婚後にこのようなトラブルで泣き寝入りするという方は多いということを頭の片隅に入れておきましょう。

離婚後のトラブル回避のためにはやはり売却がベストな選択

離婚後にどちらかがマンションに住み続けるというのはそれなりのリスクがあることがおわかりいただけたかと思います。離婚してしまえば所詮は赤の他人になりますから、最初に決めた約束もいずれは破られるという可能性もあります。

このような問題で後々損をしないためにも基本的には離婚時にマンションを売却することを検討するようにしてください。売却が完了してしまえば住宅ローンや財産分与の問題、また名義人、連帯保証人関連でのトラブルも回避することができます。

どうしても住宅ローンの残債が一括で返済できない場合は任意売却という方法を勧める不動産業者も多いです。任意売却の注意点としては信用情報に傷がつくことであり、いわゆるブラックリストに名前が載ってしまう期間は5年程度が一般的とされています。

つまり任意売却をしてから約5年間は融資が受けられない可能性が大ということですが『5年間ガマンすればブラックリストから消えるのであれば検討してもいい』という方は任意売却の方向で話を進めてもいいでしょう。

また任意売却を検討する場合の仲介業者選びはこの分野を得意とする不動産業者に依頼するのが鉄則です。もちろん通常の売却方法で話を進めていくケースにおいては、マンション売却を得意とする業者に依頼するようにしましょう。

この点は自身がどのような状況でマンションを売るのかにより異なってきます。一括査定サイトなどで理想の売却プランをしっかりと立ててくれる業者を慎重に探してみてください。